ペンギン・ハイウェイを読んで

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

 

 

秋の夜長は読書とブログ

 

最後まで読むのが勿体無くて、話が終わってしまうのが嫌で、残りの十数ページをちまちまと読んでいた『ペンギン・ハイウェイ』をつい先日、ついに読み終わってしまいました。
これは森見登美彦さんが書いた小説で、あらすじは以下の通りです。


主人公は小学校4年生の少年。アオヤマくん。
彼は女性のおっぱいに神秘を感じているかと思えば、相対性理論のような難しい本をどんどん読み進めていったりもする旺盛な好奇心の持ち主で、日々あらゆるものの研究に忙しい。

そんな彼の住む街に、突如ペンギンが現れ、そして消えてしまう。
この不可解な事件を 少年アオヤマは調べてみることにする。

彼が調査を進めるうちに、この事件は彼が好意を寄せる歯科医院のお姉さんが大きく関係していることがわかる。
謎を解き明かしていくうちに、少年は大きな決断を迫られることになる。



へたくそなんですが大体こんな感じです。
理論家で頭でっかちなところがある少年が、事件の解決を通じてまたひとつ大人になるようなお話。


読み終わった時、この本はできれば自分が彼と同じ小学4年生か、遅くとも中学生くらいまでには読んでおきたかったな、と思いました。初版が平成24年なのでどうあがいても叶わない話なのですが。

それかもうすっかり成人してしまったけれど、まだ学生である今のうちに読んでおくのが、もしかすると一番良かったかもしれないとも思いました。

アオヤマくんの子どもらしからぬ知的探求には負けてはいかんな、と思わされたし、彼の子どもらしい素直さ、誠実さ(というよりも純粋に物事に取り組む姿勢)には、きっと自分も似たような世代だった頃よりは、今の方が心打たれるところがあるだろうと思ったからです。


ぼくにもアオヤマくんのように何にでも新鮮さを感じ、日々を、未知の世界を探検するように生きていた時期がありました。
それがある程度歳をとると、すっかりいろんなことに慣れてしまって、同じような毎日を繰り返すだけになってしまった。
この感覚は、きっと少年アオヤマくんにはわからないことでしょう。

でももしかしたらアオヤマくんは、ぼくと同じ歳になってもずっと変わらない好奇心を持って世界と接していくかもしれない。

そんなことを考えると、今まで自分はとても時間を無為に過ごしてきたなと反省するわけです。
毎日似たような感じだな、とぼんやりする暇があれば、何か新しいことを見つけに行くことに時間を使うべきだったなと。


こんな感じで、読むと活力がわきます。



読み終わりたくないな、と思いながら読んだ小説は久しぶりでした。
読了後は不思議なあたたかい気持ちになれます。森見さんの作る現実のような、夢のようなふわふわとした世界観がきっとそうさせるのでしょう。

毎日に疲れてしまったあなたに、この本をおすすめします。

 

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)