夜のさんぽ

どうも夜型のような生活をここ最近送っていて、

よくないなあと思っている。しかしそんな不健康な生活が如何にもテスト前らしく感じられて、悪くないなとも思っている。

 

ひとつ困ったことがあるとすれば、勉強をやる気がなくなった後もなかなか寝付けないことで、今日は時間を持て余したので、丑三つ時を過ぎてから散歩にでかけた。

 

昼間の暑さが嘘のように涼しい。

夜と朝の間で、空は暗いような明るいようなはっきりしない面持ちだった。

変なの、と思った。見たこともない道を歩いているような気持ちで、わくわくしながら、いつもの通学路を、見慣れた川沿いを、ずんずんと歩いた。

 

街路樹では鳥がとても騒がしくしていた。

この時間は鳥達のものなのだな、と思う。

こんな時間に、彼らがこんなに活発にしているのを私は知らなかった。

歩くのをやめて、ガードレールに腰掛ける。

手で触れると、ひんやりとして冷たい。鳥の声も、耳に涼しい心地がする。

 

思索をするのは外に限る、とどこかで聞いたことがあったけれど、

何となくきっとそうなのだろうな、と思う。その時の私は一人だった。

  

しばらく何もせずに座っていた。

鳥達がぴーちくぱーちく言うのを聞いていた。

彼らは車が通ると少し静かになって、過ぎてしまえば再び元気に鳴き始める。

何台かの車が通りすぎてから、もしかすると自分の存在も鳥達の邪魔になっているかもしれないなと思った。

今は鳥達の時間なのだ。私は寝ていなければいけない。

そう思って、仕方なく家に帰ってきた。

 

外にいた時はあんなに開かれていたのに、

部屋にいると現実のいろいろがすっかり取り囲んでしまって、

考えがあちこちに飛んでいこうとするのを妨げているような気がする。

 

すっかり忘れていたテストのことや、今日これからの予定のことを思い出して、

今はいやいや目を閉じようとするところだ。