ぽつねん

 

髪を切った話でもしましょうか。

 

髪を切る前のぼくと言えば、それはもう今までの人生で一番だと言っても過言ではないくらい髪が長かったのです。

耳はすっぽりと隠れ、肩にまで届かんとするほどでした。

 

とても傷んだ金髪で、就職活動も控えているのでどのみち近いうちに切るつもりではありました。

が、ある日ラーメンを食べていた時のことです。

 

麺を食べようとすこし前屈みになった、その瞬間に、

ぼくの前髪が、

ラーメンのスープにつかっていたのです。

 

つかっていたは、ちょっと面白いかなと思って誇張しました。

実際には触れるか触れないか、くらいだったんですけど。

 

これはいかんと。

そう思って切ってきたわけです。

 

 

すごく久しぶりに自分の眉毛を見ました。2ヶ月ぶりくらいです。

右目がしっかり表にでているのも1ヶ月ぶりくらいに見ました。

 

自分の顔ってこんなのだったんだなと、久しぶりに思い出しました。

 

色はもちろん黒に戻しました。

違和感があります。

金じゃないことへのというよりは、あからさまに作ったような黒色になっていることへの違和感が。早く自然な黒に戻ればいいなと思います。

 

 

そんでもって、その足でリクルートスーツ、見に行きました。

 

黒髪に戻って、

スーツを着て、なんて、”見た目の個性”を消しにかかると、

ぼくはなんとまー、普通なのかと。

 

姿見で自分の姿を確認した時に、まるで路端の石ころ家と見まごうくらいでした。

取替え可能な部品に一気に転落したような気持ちになりました。

髪色とか、服装とかではなくて、自らの内面から沸き上がる何かに決定的に欠けていました。

 

 

こりゃいかん。

 

 

というのが今日の感想。