三年四組の昼は

 

 

友達とわいわいお昼ごはんを食べる。

というのに憧れていました。

 

高校生の頃の話です。

 

なぜだか不登校だった高校1年生。

不登校から復帰はしたものの、出戻ってきて急にはしゃいでるなんて思われたくないなあ、

とくだらないことを考えながら生活していた高校2年生。

と、貴重な青春2年間を生贄に、友達とわいわいとお昼ごはんを食べる

という夢を、3年生にして叶えるのでした。

 

朝学校に集まって、勉強をして、

お昼になったらお昼ごはんを食べて、一息ついて、

また勉強して、暗くなったら、帰る。

 

そんな夏休み。

 

受験生なら誰しもやっていそうな生活ですけど、

ぼくにとっては憧れで、とても楽しいものでした。

 

お昼にはもっぱら『ルプラ』という定食屋さんに行っていました。

学生に優しい価格で、そして意外と(失礼な)おいしくて、

何より4,5人で食後にゆったりしていても怒られないのんびりとした場所でした。

そのルプラが、今週の土曜日で閉店してしまうらしいのですね。

あのお昼の時間を過ごした場所が、なくなってしまうらしいのです。

 

思い出はまあ、

こんな風にいつでも振り返ることができますけど、

その思い出の拠り所が、なくなってしまうんだなと。

 

すっかりおっさんになってしまってから、

高校の頃に巡っていた定食屋めぐりをしたとして、

ルプラにはもう行くことができないのだなあと。

 

 

せめて最後に自分で食べに行くことができればいいのですが、

それもできそうにありません。だから、応急処置にもなっていないですけど代わりに兄弟に食べに行ってもらって、感想を聞かせてもらうことにしました。

 

できれば店内や、ご飯の写真なんかをもらおうって。

そんなんじゃ何の代替にもなりゃしませんけど。

 

いつでも振り返ることのできるものが、

いつまでもそこにあるわけではないので、

手が届く範囲の身近なものこそ、大事にせねばならんなと思ったのでした。

 

 

 

店の名前なんか出すと下手をすると出身地がバレるんですけど、

好きなお店だったから、名前を伏せたくないなと思いまして。

もしかしてこれ読んでる方で福岡に住んでる方がいらっしゃったら、閉店前に一度行ってみるといいかもしれません。

美味しいですよ。

 

 

本当は全然違うことを書こうとしていたんですが、

今日急にルプラがつぶれるらしいと高校の友達(色黒のサッカー青年)から連絡が来たもので、こういう文章と相成りました。

 

今でも人とご飯を食べるのが大好きです。