書いた本人以外が読んでも仕方ないようなやつ
化物語。
もうちょっと早く読んでおけばよかった。
浪人の夏の現実逃避だったか、大学一年生の何をしていいかわからなかった夏だったかに、アニメは見たんですけどね。
絵で見て音で聞くのは綺麗だし、気張らずに済むから楽ちんでいいんですけど、
大体、面白かったな以上の感想は出てこなくて、それで終わってしまいます。
一方、本で読むとなると自分で文字を追っていくわけですから、
自然、考え事を差し挟む余地もあり、自分と重ねたり、自分を顧みたりする
時間もありで、単純に本に収まっている内容以上のものが得られるような気がするんです。
自分が同時にいろいろなことをやるのが苦手だというだけなんですけどね。
自分の意思とは関係なく次々流れてくる情報に、逐一対処するのが苦手なんでしょう。以前人間関係において、自分が相手に合わせてほとんど変化しない、というような記事を書いた記憶があるんですが、人間以外にもマイペースを譲る気はないようです。自分が心配になってきました。
とにかく、化物語です。
実はまだ下巻読んでる途中ですけど。
前にもちろっと書いたんですけど、阿良々木くんと戦場ヶ原さんの関係が、
素直に羨ましいんですね。あの二人の間の、信頼関係が。
省みるに、自分はできることなら他人から「無条件に信頼されたい」
と願うくせに、自分は他人のことは本当に、自分でもびっくりするくらいに、
「何かに基づいてしか信頼しない」のだなと。
それは言葉だったり、行動だったり。
しかし言葉や行動はどうしても一時的なものですから、結果ぼくは相手に常に信頼の証の提示を求めることになってしまいます。それを心の中で思ってるだけならまだしも、それに耐えかねて言ってしまうからね、真性のあほです。
自分の心持ちひとつでどうとでもなることを、そうならざるを得なかったみたいに書くのはとてもずるいですけど。
誰彼構わず心中を探るほど、デリカシーのない人間でもないですけど、
嫌われたくないなと思う人には、つい。
それが原因で嫌われてしまったら、元も子もありませんが。
そうやって自分で自分の首を絞めていることもあるのかもしれません。
作中に
「言いたいことを言いたいように言える対象は、2種類。
嫌われても構わない相手と、嫌われる心配のない相手だ」
みたいなセリフがあるんですけど、
自分に足りないのはこの後者の方なんだろうなーという。
足りないというか、自分がこの人には嫌われないなんて、思い上がった発想ができないというか。それがつまり、全幅の信頼を置けないということなんですけど。
「お前は私に何を言われても、私のことを嫌いにはなるまい」
というようなことを面と向かって先輩に言われたことがあって、
それを聞いてなんだこいつとは思えど、嫌な気はしなかったのを覚えています。
事実、自分はこの先輩のことは本当によっぽどのことがない限りは、嫌いにならないだろうとも思います。なんか、そんなもんなのかな、っていう。
というわけで、ポツダム宣言よろしく、無条件に相手に降伏しようと、思って。
無条件に信頼しようと思って。
そんなことを化物語を読みながら思っております。
本当にもっと早く読んでおけばよかった。
色んな意味で。他意はありません。
面白いんですよ。ほんとに。会話のやりとりとか。
面白いんですよほんとにじゃ何も伝わらないと思うので、
それはまた別の機会に紹介しましょう。
どんな後悔も先には立たない以上、反省と、実践あるのみです。
もちろん他意はありません。
父はあんなにも無言実行の、いかしたクールガイであるのに、
息子たる私はなぜこうもまあいちいち宣言しないと次に行けないのかという問題も、
いずれ検討せねばなりますまいな。