風船は膨らむ
あなたには、
しんどいなあと思っているその問題を、
相談する相手はいるだろうか。
自分が深刻に考えていることを人に話すと、
なんだそんなこと、と言われることがある。
なんだそんなこと、と言われると
あれ、これって大したことないことだったのかなと思う。
まあ楽になるのは話している間だけで、一人になって考えだすと結局しんどいので、気休めでしかないのはそうなんですけど。
でも一人で抱え込まずとも良いのだと思えるだけで、幾分楽だ。
逆の場合もある。
自分が気にも留めたことのないようなことを、
人が一大事のように話してくることだ。
アボカドが何故嫌いかという話を友達に延々された時は、
うんざりもしたが、自分では絶対にしない考え方でもあったので、
面白くもあった。
自分にとって深刻なことが、人にとってはそうではないし、
人にとって大変なことが、自分にとってはそうではない。
自分が人と話をするのが好きなのは、
話しながら全く別の価値観に触れることがあるからなのだと思う。
もちろん、同じような価値観を持っている人と話をして、考えを共有するのも好きだけど。
なんにせよ、
問題を一人で抱えこむといいことがない。
考えて答えが出ることであればまだしも、そうでない場合は尚更だ。
空気穴の無い風船を、内側から膨らまし続けるようなもので、
ほうっておくといずれ破裂して、取り返しの付かないことに成るだろう。
人に相談をするのは、きっと自分じゃどうしようもないその風船に空気穴をあけてもらうことなのだと思う。
空気穴をあけたところで風船は膨らみ続けるのだけど、それでも破裂することだけは免れることができるかもしれない。
あなたには、
あなたの抱える問題を相談できる相手がいるだろうか。