子どもな大人

 

どこかで、大人になることは孤独になることだ。

という言葉を見たことがある。

 

もしその言葉を鵜呑みにするのであれば、

現代は大人になりづらい環境にあるかもしれないと思った。

 

 

高校を卒業した時、

卒業した実感が全く湧かなかった。

ふわふわと日々を過ごす中で、卒業したってなんだろうと考えた時、

そこにいて当たり前だった人たちがいなくなることだと結論づけた。

 

学校に行けば、そこには友達がいて、ご飯の約束も、遊びの約束もできた。

卒業するってことは、それができなくなるってことだ。

 

いや、違うな、

連絡先を知らない友達とは、それができなくなるってことか。

と当時思った。

 

連絡先さえ知っていれば、

直接顔を合わせずとも、くだらない雑談もできれば、今までどおり何かしらの約束も簡単にとりつけられる。

 

だから私たちは、卒業後にも仲間との繋がりを変わらず維持できる手段を得た代わりに、卒業をひとつの節目にして、一時的にでも孤独に身を置く機会というのは、失ってしまったのではないかなと思ったり。

 

それがいいことか悪いことかはわからない。

ただ、高校の時の友達と会った時に、自分も相手も、特に変わったような気がしないなと思うことはある。

 

それが、自分たちが大人になりきれていないことを示すものなのかは、よくわからない。

 

大人ってなんだろうなあ。

旧友たちと会う時だって、慣れ合ってるつもりはないけれど、

そういう繋がりを持っていること自体が子どもだと思う人もいるってことですよね。