真剣しゃべり場
人と自分の考えていること、価値観がぶつかり合う場というのがとても好きだ。
もちろん平行線を辿るばかりの争いということではなくて、
ぶつかり合った結果、自分が変わったり相手が変わったり、あるいは、そこに何か新たに得るものが生まれたりするのが、好きだ。
今日、久しぶりに初対面の人と話をする機会があって、
それを実感した。
初めて会う相手に、自分を知ってもらう時、
自分がどんな人間なのかを話す時、自分の考えていること、価値観を避けて通ることはできない。
それは相手も同じで、
だから、それが本当に面白い。
自分がどんな人間なのかを再確認する。
相手がどんな人間なのかを知る。
新しい考え方に触れて、影響を受ける。
自分の姿を鏡を通してしか見ることができないように、
自分だけであれこれ思索していたのでは見えてはこない自分というのが、
人と話をすることで見えてくる。
これが面白い。
ぼくは人の悩みを聞くのが好きだ。
それを長らく、自分が誰かの役に立っているという実感を、その瞬間に一番感じることができるからだと思っていた。
もちろんそういう一面もある。
何かに懸命に悩んでいる人は、飾りがない。
何故それに悩み、その悩みに対してどう考えているか、を話している時は、その人の生き様やあり方が如実に表れていると思う。
そこに、自分の考えを少し投げてみる。
すると、何かが返ってくる。ぼくは少し考える。
そしてまた相手に何しらを返す。
この繰り返しの中で、少なくともぼくは今まで考えたこともないようなことを考え、気づいたこともなかったことに気づき、経験してこなかったことについて話を聞く機会を得て、何か、変わる。
自分の辿ってきた道と、
相手の辿ってきた道とが交差して、
そこから今まで思いもしなかった方向に道が伸びてゆくのが面白い。
既に仲が良い友達と話をする時は、
なんだか保守的になってしまうことがある。
これを言うと、関係が悪くなってしまうかもしれない、とか
これを言わなくても、相手はわかってくれるだろう、とか。
既にあるものを守ろうとすると、
生身でぶつかり合うことが、それによって生じる結果が、
怖いと思う、からかもしれない。
それでもやっぱり話をせずにはいられなくて、
話をするのが面白くて、
久しく会っていない友達を訪ねて、
何でもいいから話をしたいなあと思った、そんな夜でした。