旅日記(仮)2日目

 
7時41分
 
本日最初の電車に乗りました。
夕飯を食べて、世を明かすだけで広島を去ってしまうのはもったいないけれど、台風来ているらしいし、あまりのんびりもしていられないので仕方ない。
 
本当は絵の教室とか、大和ミュージアムとか、行きたかったんですけどね。
 
ネカフェで夜を明かすと毎回思うのが、布団やベッドがいかに優れた発明品であるかということです。
眠れはするけど全身ばっきばきになりますからね。ネカフェ。かつて途中で読むのをやめてしまっていた、ソウルイーターという漫画を、21巻まで読んだりもしました。あと4冊だったけど、さすがに睡眠欲が勝った。
 
キャリーケースはの重さにも一日経つとさすがに慣れたのか、引っ張ったり持ち上げたりしても、昨日ほどのしんどさは感じなくなりました。
 
少し不安になって中身を全てあらためましたが、なくなっているものはありませんでした。安心安心。
 
 
今の所電車に遅れは出ていません。
が、雲行きは結構怪しくて、できることならちゃっちゃと福岡に着いてしまいたいなと、思っています。風呂入りたい。
 
 
さあてさて、今日も約6時間半の道程が、始まります。
 
 
8時21分
 
出発を予定していた電車の、20分前の電車に乗ったら、予定ゴール到着時間より1時間以上早く着くことになった。
乗り換えの関係なんだろうけど、こんなに変わるもんなんですねえ。
 
 
9時52分
 
高齢化社会から高齢社会へ、そしてぼくは寡聞にして知らなかった(これ使ってみたかった)のですが、すでに超高齢社会(老年人口21%以上)というものに突入しているらしいです。
 
広島を出発してから電車に乗ってくる人、おじいちゃんと言って差し支えない年齢の方ばかりで、高齢社会と、あとはその人口分布の偏りを、感じています。
 
昨日の同じくらいの時間と言えば、東京から熱海を過ぎ、名古屋あたりに向かっていた頃だと思いますが、あの時はむしろ若者と言われる人たちの方が、車内には多かったからです。
 
みたいなことを書いてたら、中学生くらいの女の子4人が電車に乗ってきた。この電車内が急に活気づいたような感じがする。
 
この子たちが大きくなってもこの土地に居着いてくれたら、また変わってゆくのだろうなあ。
 
 
 
10時41分
 
あと少しで新山口に着くってところで、なぜか眠ってしまって、終点ついてから車掌さんに起こしていただいた。
 
寝ていたことにびっくりして、
乗り換えは!? 乗り場は!?
と一人で焦っていたら、その車掌さんが行き先を聞いてくれて、降りてすぐ向かいの乗り場ですよと教えてくれた。JR西日本が好きになった。車内アナウンスをちょいちょい噛んだりするのも、人間味があっていい。
アナウンスと言えば、中国地方に入ってからは、車内での迷惑行為があったらすぐに知らせろといった旨のアナウンスを結構耳にするのだけれど、これは何でだろう。関東のアナウンスは、車内マナー守れみたいなことを口酸っぱく言うけれど、それと表現が違うだけで意図することは同じなのだろうかと考えてみる。
 
車掌さんが車内を行き来する電車は、よいです
いざとなれば頼ることのできる人がいる、という安心感がある。
何かお客さん同士でトラブルがあっても、第三者として車掌さんがその仲裁に入ってくれるのだろうから。
仲裁に入るからには、そのトラブルは車掌さんが自分の責任で取り扱うことになる。その、責任を負ってくれる人がきちんといることに、ぼくは安心を覚える。
 
関東は客があほみたいに多過ぎていちいち個々の問題に対応していられないから、客個人個人の良心に任せる、というかマナー、ルールを守ってくれとアナウンスするのだろう。このアナウンスの中に、トラブルを解決に乗り出す第三者の姿はなく、客同士のトラブルは客同士のトラブルでしかなくなってしまう。当事者同士で解決できれば、あるいは仲裁に入る正義感の強い人がその場にいれば、いいのだろうけど、そうでない場合、そのトラブルはトラブルのまま放置されざるを得ない。そして仮に仲裁に乗り出す人がいたところで、その仲裁人にはなんの大義名分もないのだから、トラブルの当事者からまるで相手にされない可能性もある。まあ電車乗っててそんなもんに巻き込まれたことはないので、別にそれでもいいと言えばいいのだけれど、何かあった時はやっぱり不安だ。誰もそのトラブルに口を出せない雰囲気が流れる可能性は多いにある。
 
 
車掌さんは電車のあらゆる意味での管理者なわけだから、トラブルに口出しすることにも正当性があり、その点信頼できる。口出したところで解決できるかどうかはまた別問題だけど。
 
あまりアナウンスを注意深く聞いていたわけではないので、中国地方に入ってからと書いたけど、もしかすると関西でも同じアナウンスがかかっていたかもしれない。
 
 
11時20分
 
久々に横一列の座席のある電車に乗って、今一番右端に座っている。
さっき気の弱そうな女性が、その列の真ん中らへんの席に座ろうとしたら、一番左端に座っていたおばあちゃんに何か二、三言葉をかけられて、別の席へと追いやられていた。
 
別の駅で恰幅のいい兄ちゃんが、同じ席に座ろうとした時は、おばあちゃんは何も言わない。近くに座られるのだけはしっかり嫌なようで、代わりに自分が席を立った。
 
平等なようで、平等じゃないなあ。
 
 
11時56分
 
電車の路線図? に、馴染みの駅名がたくさん!
 
そう言えば、山陽は新幹線だとトンネルばっかりなんですが、鈍行だと全然そんなことなかったなと今更。
 
 
12時10分
 
 
無事最後の、本当に最後の乗り換えが終わりました。実家まで帰るのにまた電車に乗りますが、それはノーカンってことで。
 
実際広島から6時間かかってるわけですが、午前中の6時間なんかあっという間ですね。全然そんな時間が経ってる感じはしないです。
 
 
さーあと一時間とちょっと。
とりあえず風呂に入りたいぞー。
 
 
12時58分
 
博多弁や! 博多弁や博多弁や!
 
あと今日は家に人がいるらしくて嬉しいです。過去2,3回の帰省は、帰っても夜まで1人とか結構あったので。
 
雨が降ったら、傘を持たん兄を迎えにきてくれるらしいし、ありがたいことです。
 
あと20分と少し!
 
 
 
13時41分
 
福岡ちゃーく。
いつも見送りでしか行かない改札から、自分が出て行くのが少し変な感じしました。
 
実家に直行します。お腹空いたぜー。
帰ったらまともに料理するぜー。
 
 
福岡帰ってきたってだけで、自分が家族とかへ送るLINEが急に博多弁になるの不思議~
 
 
22時32分
 
父の誕生日、祝ってきました。
 
今までのはずっと携帯で書いてましたが、
さんざ持っていくか迷っていたパソコンで、今、書いています。
なんだか帰ってきたような、そんな感じがします。
 
家についたのは、もう今から7,8時間前のことになります。
料理をするぜなんてうそぶいていましたが、さすがに20時間を超える電車旅は体にかなりこたえたようで、実家の敷居をまたぐころには、すっかり昼ごはんへの熱意は冷めていて、卵かけごはんを食べました。
 
それからしばらく、
気づいたら眠っていて、
妹に叩き起こされてから、父の誕生日プレゼントを買いにでかけました。
 
何を買おうか、と兄妹で話し合ったのが、とても楽しかった。
ジム通いをしているなら、バッグをあげたらどうかとぼくが言うと、
父はデザインや使用感で気に入らないところがあると、それが例えひとからもらったものでも一切使わないからだめだ、と言う。確かに。父の日に、母がプレゼントしたショルダーバッグは、今ぼくが使っている。
 
ドラクエ好きな父が7のリメイクをやるために3DSを買ったので、ゲームをあげたらどうかと、妹一号が言うと、妹二号が、それも父が気に入らなかった場合、ゲームソフトを1本、兄にプレゼントすることになってしまう、と言う。信用がない。昔のぼくなら、そうしたかもしれない。それも中学生くらいまでのぼくだ。
 
だったら、父の日にプレゼントしたように、
またナッツにしてはどうかとぼくが提案した。ナッツは相変わらず食べているらしいが、それをプレゼントされるのは飽きているらしい。わがままかよ!
 
結局のところ、やはり使われない可能性のあるものをあげるよりは、
その場で消費されるものをあげようということになりました。
父の場合、それは食べ物です。
 
そして、ぼく達兄妹からすれば、それはもうチョコでしかありえないのです。
ナッツなんか新参ですから。
 
そんなわけで、呉服町にあるチョコレートショップというお店にでかけました。店構えがとても立派で、ぺらぺらのTシャツを着ている私は入店するのが若干恥ずかしかったです。中世なら、多分ぼくはこの店に入店できる身分ではなかったように思います。資本主義で良かった。この意味では。
 
そこで「博多の石畳」という名前の洒落た生チョコと、トリュフを買いました。チョコにこんなお金使ったの初めてです。
 
あと、充電器が欲しいとのたまっていたらしいので、
それも買いました。
 
その足で、夕飯を食べに行きました。
妹一号は薄情者なので、バイトに行きました。
 
ぼくも就活が終わり、妹は進路が決まり、父は誕生日で、
それで一堂に会する最初の機会だったから、今日はめでたい日でした。
 
酒をついだり、つがれたり、
酔っ払って家族の話や、その他いろんな話をするのは、とても楽しいものでした。まだお酒を飲めない妹二号は、少し退屈そうにしていました。
 
ご飯を食べた後に、
一人で家に帰らなくていいのも、嬉しかったです。
帰り道も人がいて、家に帰っても人がいて、しかも、それが家族なのです。
 
今日は本当にいい日でした。
プレゼント、今しがた渡したのですが、喜んでもらえたようでした。
充電器、白が良かったとか言ってたけど。うるせえ使え。
 
大学の友達が、
ハンターライフを始めるぞとLINEで騒ぎ始めました。
 
ぼくは一人だけれど、
ぼくの中にいろんな日常と、いろんな自分がいて、
 
昨日のセンチメンタルだって嘘じゃないし、
今日が楽しかったのだって嘘じゃないし、
しゃあねえモンハンやるかってなってる自分だって、嘘じゃないのです。
変ですね。同じ人間とは思えないくらい、気持ちのありようが瞬間瞬間で、全然違うんですから。今日は眠れんなんてことは、きっとないでしょう。