アヌビス

 

髪を切りました。

寒さに備えるために髪を伸ばそうということで、

さしあたってきのこにしてきました。

 

不精なので、

髪を切るのは平均して2ヶ月か3ヶ月かに1回くらい。

年に髪を切るのは多くても5,6回くらいになる計算ですが、

そんな客のことでもちゃんと覚えていてくれて、

まーたこんなぼさぼさになってから現れやがってとか、てめえは前もあんな本を読んでたが今日もこんな本を読んでるのか、たまにはおれのおいた雑誌を読めとか、最近は何やってんだ、バイトか、どこそこだっけ、あれバイト変えたのかとか、話しかけてくれます。

 

会話の端々にあーここにそれなりに長く通ってるんだなあと思うような話題が出てきて、話題というか、思い出すと扱いの適当さにそれが表れていて、それがかえって居心地がよく感じたりするのでした。

 

いつも髪を切るときは大体こんな感じにするぞ~と決めてから行くんですけど、今回はなんにも考えずに任せると言ったらそんなこと言われても困ると言われて、ぼくの髪の生え方の特徴から、髪の流れ方から、どこの長さをどうしたらどういう髪型ができて、その場合のセットはこうなるとかいったところまで、事細かに説明されて、さあどうする、決めろ! となりました。いつもはぱっと見せて切ってもらうだけなので、切ってる間は雑談するか本読むかだからちゃんと分かっていなかったけど、やっぱりプロなのだなあと思いました。

 

自分の行動がひとつ変わると、

相手の行動もそれに合わせて変わって、

そしたらまたその人の違った考えとか、こだわりとか、

そういうもんに、今回みたく触れられるかもしれんのだなあと。

 

長く付き合っていれば付き合っているほど、

こいつはこういう奴だ、みたいな考え方が自然と染み付いてきてしまうもんですが、そこらへんを一度リセットしてみると、また相手の違ったところが見えて、また相手にも違った自分を見せることができるかもしれませんね。