不可逆の価値


祖父が、祖父の故郷の織物で作ったネクタイをくれました。

現金は何にでも交換できる流動性の高さが魅力ですけど、その性質がゆえに手元にずっと残るものではありません。


手垢をつけて、
思い出を蓄積していくことは、現金にはできない芸当です。


手元に置いておくことができないからといって、写真に撮ってデータとして残しておくのも、中々に怪しいものです。

年末、携帯の機種変更の際にパソコンにバックアップを取って安心してたんですけど、そのバックアップの入ったパソコンが壊れてしまい、思い出の承認のいくつかは完全に失われてしまいました。


お金ねー!
って時に、ゲームみたいに手持ちのものを何でもかんでも買い取ってくれる店があればいいのに、なんて昔は思ったりもしていましたが、換金できないことに意味があることもたくさんあるなと、今は思っています。

もらったネクタイは、入社式の際につけるつもりです。


今日は高校の同期ともつ鍋をつついてきます。