なつがくる


夏の匂いがするなと思った。
ぼくはそこまで感性が豊かな方ではない。
金木犀の香りすら未だにこれがそうだと断定できないほど、植物の知識にも疎い。

だから、ぼくが感じる夏の匂いは食べ物の匂いだ。

肉の焼ける匂い、
つんと心地よい香辛料の匂い。

夏の暑さにやられた体と精神を鼓舞して、食欲を奮いたたせる匂いだ。

ぼくは汗っかきなので、
これからの気温の上昇を思うと正直げんなりするのだけれど、どうしてか夏は嫌いにならない。

花火や、海、山、かき氷、夏にまつわるいろいろと、みなが暑さにぷりぷりしている感じが、ぼくは好きなのだ。

寒い。ビール。
とはならないが、
暑い! ビール!
は成立する。

暑さは人を何かに駆り立てる力を持っている。

古巣からは飛び立った。
今年は今までとはまた違った夏がくる。

今年も楽しく過ごせるといいなと思う。

最近は朝起きた時と寝る前にNorah Jonesを聴いてます。爽やかです。