ねいばー


ぼくの暮らしているところは、
駅から比較的近く、飲食店が周囲にたくさんあるようなところにあります。

だから、道を行く時にすれ違う大概の人はここに住んでいない人です。他人です。


先日いつも行く銭湯が定休日だったので、少し遠出をして別の銭湯に行きました。

その銭湯は駅からかなり離れたところにあって、住宅街のど真ん中にどんとたっています。

ぼくは住宅街が好きです。
そこに暮らす人たち同士のゆるやかな連帯が、好きだからです。他人同士であっても、何か仲間意識があるというか。




銭湯に一緒に行った友達は、
そういう近所付き合い的なものは、めんどくせえから駅近の雰囲気の方が好きだと言っていたけれど、そんなこたないと思うのです。

ぼくは家の近くにご飯に誘える人が、その銭湯に行った友達しかいません。
みんな就職を機にいろんなところに引っ越してしまったからです。

その友達も、今旅行に行ってしまっていて、家の近くには知り合いが誰もいない状態なのです。

別にご飯を食べにいきたいわけではなくて、
この知る人のいない状態というのが、いかに寂しく、不安なことかということなのです。

風邪とかひいても誰にも助けてもらえないですし、楽しいことがあったとき、しんどいとき、それを共有する人もいない。

いくら電話やチャットができるとは言っても、目に見えない、手で触れない、そういう空のコミュニケーションばかりでは、虚しくなってしまうと、ぼくは思うのです。

近所付き合いが大切というよりは、
単に自分がより楽に生きるためにはそういったものがあった方がより良いのではないかという、そういうお話でした。