二人暮らしに終止符を 完
一度事が起こってしまえば後は一瞬だった。
袋を薬箱の上から被せて包囲する作戦は失敗したため、
薬箱ごとバッタを袋の中に落とす作戦に切り替えた。
うまくいった。
そのまま袋を外に持って行き、
薬箱だけ取り出してから戻ってきた。
バッタを袋から出そうと何度か試みたが、
袋の奥にしがみついて出ようとする気配がない。
しかたないから袋ごと放置してきた。
(一応敷地内なので、後日とりに行こうと思う)
バッタの出現を部屋を片付けなかった罰だと思って受け入れたけれど、
今度はバッタを袋にいれたまま放置したことで罰が当たるのではないかとどきどきしている。
はー。
とりあえずバッタ追い出したというそれだけで祝杯あげてもいいくらいには達成感を感じている。
はー。
寒くなってきて、心の隙間に寂しさが忍び寄る季節に現れたせっかくの同居人だったけれど、
虫はな…。だめなんだよごめんな…。
明日こそは本当に部屋を掃除しよう。
何、やり始めてしまいさえすれば後はあっという間だということは、
今日、今さっき学んだばかりだ。