お前にもったいないはもったいない
環境分野で初の、そしてアフリカ人女性として初の、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさん。
持続可能な開発と民主主義と平和への貢献を旨とする彼女が感銘を受けた日本語があります。
それが「もったいない」です。
Reduce、Reuse、Recycleという環境活動において重要な3Rに加え、
限り在る地球資源へのRespectをも一語で表すことのできる「もったいない」を、
マータイさんは世界へ広めようとしました。
………。
この話を初めて聞いた時、私は、ただただ情けない、と思った。
純然たる日本語である「もったいない」に時代に即した意味を与え、
世界に広めるのが日本人ではなくケニア人でどうするのだと。
しかし最近この「もったいない」という言葉を、
トイレに行きたい気持ちを我慢する時に使っている日本人がいるらしい。
というか、それは私なのだけど。
急に尿意やら便意やらが襲ってきて、
かつ、すぐにトイレに駆け込むことができない状況にある場合、
「焦らずともそのうちトイレに行ってやるさ…今はその時じゃない…もったいないぜ…」
などと、外では平静を装いつつ内心ではこんなことを考えている。
そしてこの便意と尿意という生理現象に対する、今はもったいないとする謎の余裕が、案外やつらに対処するのに効果的なことを知って、実はものすごい発見なのではないかと密かに喜んでいるのだった。
当の日本人である私が、「もったいない」をこんな方法で運用しているのだから、
「もったいない」を世界に広めるのはワンガリ・マータイさんの意思を継ぐものに
任せた方が良さそうだな、と8年越しに納得した。
電車で30分そこそこ行くだけでこんなに天候が違うとは思わなかった。
おかげで学校の最寄り駅まで行って、何もせずに家に引き返すという間抜けなことをしてしまった。
折り畳み傘は常に携帯すべきだと学んだ。
(追記)ワンガリ・マータイさんは2011年の9月25日に亡くなられていたようです。
ご冥福をお祈りします。