目で旅をする
普段書いている記事からは少しもそんなことは読み取れないことは承知の上で、
言わせてもらうとするなら、私は自分の書いたもので読んだ人の何かしらに変化をもたらしたいと思っている。
大それたことを言うつもりはない。
それは普段地面や行き交う人を見て歩いている人が、ほんの少し空を見上げることであったり、昨日の記事で言えば、ピザを食べたくなったり、とかそんな些細なことである。
話は大きく変わるが、
昨日『傾物語』を読み終わって、アニメまで見た。
私は昔からそうなのだが、ゼルダシリーズの「夢を見る島」であるとか、岡田淳の『二分間の冒険』であるとかの、
「主人公がふとした拍子に大冒険をするはめになり、その後何事もなかったかのよう に日常に戻ってくる」
ような話に弱い。
傾物語もタイムスリップをしたその先で一波乱あって、現代に戻ってきたあと、日常の日常であることの幸せを噛みしめる。そんな話だった。
なんでこのような話が好きなのかなあと考えていると、
おそらく幼いころ母が私にたくさんの絵本を読み聞かせ、
そして児童文学を買い与えてくれたからだろうと思い至る。
考えてみれば、冒険から帰ってきて、以前よりたくましくなった主人公が、
以前とかわらない日常の中で、それまでとは違ったように生きていくような
ストーリー展開というのは、絵本や昔話、児童文学といった教育的示唆に富んだものに多いイメージがあるし。
自分の書いたもので人に変化を、というのは、今までの話に合わせてかくとするならば、自分の書物が読んだ人にとって「冒険」になれればいいなということなのだ。
それを読んだところで日常が大きく変わるわけではないけれど、「冒険」を体験したあなた自身は変わっていく、そんなものになれればいいなと、思うのだ。
空を見上げた時、
ピザを口にした時、
何でもないような、そんなふとした瞬間に、そういえばこんなものを読んだことがあったな、なんて風にこの場所のことをを思い出してもらえたなら、それ以上に嬉しい事など何もないなと思う、私であった。
あ、この文章広☆告系の企業にES出す時に使えるかも、なんて書きながら思ってしまいさえしなければ、もっといい文章だったのになあ…笑