ニ〇一三内省 「助」

 

人は人を助けることはできないのだと悟った一年だった。

まさしく「人は一人で勝手に助かるだけ」なのだと、そう悟った一年であった。

 

医者の手によって病気それ自体を取り除かれたとしても、

病気の原因がその人の生活習慣にあった場合、

その患者が医者に甘えて生活を改めなければ、いずれ病気は再発するだろう。

 

同じように、

問題の渦中にいる人間に、外から手を差し伸べることはいくらでもできる。

しかし本当の本当のところでその人が「助かる」ためには、本人の「助かろう」とする意志が不可欠だ。

 

だから

「人を助ける時は1から10まで」

なんて主義主張は土台、傲慢であった。

助ける相手の存在を無下にする、全く愚かしいスローガンだった。

 

人を1から10まで助けるというのはつまり、

相手に対して「あとはおれが全てやるからてめえ何もせずにすっこんでろ」と言うのと同じことだ。こんなことをおれは助けるなんて言葉で呼んでいたのだ。

とんでもない。一方的な暴力だと形容した方がまだしっくりくる。

あのスローガンは一見相手のことを考えているようでいて、その実助ける相手のことを徹底的に無視している言葉なのだった。

 

 

しかし今後もおれは、人を助けたいなんて、そんなおこがましいことを思いながら

これからも生きていくのだろうから、

自分が人に対してできることは本当に限られているのだと、ここで強く思い知っておかなければならない。

自分のためにも、相手のためにも。

 

誰だって自分がそうするように悩み、葛藤し、思い、考えているのだ。

そんな相手のことを真正面から受け止めるどころか見ることもせずに、何が後は任せろだ。大馬鹿野郎が。

 

2014年は、

人は一人で勝手に助かるだけなのだということを、肝に銘じて生きていこうと思います。