ストーリー
高校の時に何やってた?
と聞かれたら、いろいろ答えようはあるんだけど、
ぼくはきっとバンドをやってました、と答える。
しばらく高校をさぼっていた高校1年生のあの頃、
再び学校に通い始めてすぐの文化祭で、初めて舞台に立った。
その時歌ったのはASIAN KUNG-FU GENERATIONの「海岸通り」で、
「あれがない これもない どんな希望もかなえたい欲張り
そんな僕らの足りないものだけそっと包むように」という歌詞が、当時の自分の気持ちにぴったりだったのを覚えています。
その頃は今よりももっとギターもへたくそで、
決して人に見せられるようなもんでもなかったけど。
だけど、あの場で歌を歌うことで、色んなコンプレックスとか、何となく感じていた居づらさとか、そういうものを全部吹っ飛ばして、自分はここにいるぞ、いてやるぞ、という主張ができたような気がしたんですよ。
前置きが長くなりました。
今日はそのバンド活動を通じて知り合った先輩の曲を紹介しようかなと思ってるんです。
このURLから飛べるページからダウンロードできます。
zipファイルなのに160メガくらいあるのでちょっと重めなんですけど。
詳細はよくわからないのですが、九州のいろいろなアマチュアバンドの曲が入った、コンピレーションアルバムなんですかね。多分。
「Ihatov」というバンドが、ぼくの先輩のやっているバンドです。
ストーリーという曲が、そのバンドの曲。
知り合いであるという贔屓目なしに、素敵な曲だと思います。
朝焼けの昇る時間、まだひっそりとした街の中を、自分の吐く白い息に寒さを見ながら、もう戻ることのない道を振り返り、振り返り、進んでいくような、そんな情景が浮かぶ曲です。
それこそ、高校卒業以来4年ぶりくらいに先輩の歌を聴きましたが、
なんというか、彼女はバンドをずっと続けてきて、こんな風に歌えるようになったんだなあと思いました。
自分が大学でバンドを続けなかったのは、もったいなかったかもしれないなんて、ちょっと後悔です。続けていたら、ぼくはどんな風に歌えるようになってたんだろう、とか。
お笑いを始めて、ボランティアを始めて、
そこで変わった今の自分がそれなりに気に入っているので、バンドをやめたことに多少の後悔はあれど、納得はしてるんですけど。
身近な人が作ったものに刺激されて、
今度は自分が文章を書いて、というこの連鎖がとても心地よいもんだなあと思う夕暮れ時です。
今日は温泉に行ってきます。
違う道を歩んでいたら、今がなかったのだと思えば、
失敗だったかなあと思う選択でも、してよかったと思える…日がくるかも。