パーマをかけた話
パーマを二年ぶりくらいにかけた。
前にかけた時は風呂に入ると生き物のように髪がうねうねとして面白かったけれど、今回かけたデジタルパーマとやらは、髪に優しく、持続力がある代わりに、くるくる力はそんなでもないらしいので、ドライヤーで乾かしたくらいではちょっとクセがつくくらいだ。
整髪剤をつけるとみるみるやる気を出してうねってくれるけど、バイトしか用事がないので今日は髪には大人しくさせてある。
話は変わって、
高校生くらいの頃、父方の祖父母の家に遊びに行った時に、あまりにやることがなさすぎてちょっとしたお宝でもないもんかと、掃除ついでにあれこれ探してみたことがあった。
お宝は出てこなかったけれど、
父の学生時代のアルバムが出てきたので、ぼくは大満足だった。
アルバムには色が落ちてしまったのか、それとも元々白黒だったのか、とにかく色素の薄い写真がたくさん挟まっていた。
どれどれ、父は若い頃めちゃくちゃもててたなどと豪語していたが、どの美男子がそれだ? とにやにやしたがらページをめくっていると、ぼくがいた。
正確には、高校生のぼくに、瓜二つの顔をした、若い頃の父の写真があった。
ぼくと同じ顔しといてめちゃくちゃにモテるなんて不公平じゃないか、と思ったのは後になってからで、その時はただただ驚いた。
それまで、ぼくはどちらかと言えば母似で、父には全然似ていないと思っていたからだ。
20代までの顔は親の、30代以降の顔は自分の責任なんて言葉を聞いたことがあるけど、それにのっとるならば父はぼくと出会う前に、遺伝とは関係ない顔の変貌を遂げていたのだなと思った。
だってこのまま大きくなっても、今の父ような顔つきになるとは思えなかったから。
話は戻って、
前回パーマをかけた時、ぼくは耳や目がすっぽり隠れてしまうくらい髪が長かった。
それだから、髪のそこそこ短い状態でパーマをかけるのはこれが初めてなんだけど、うにりうにりと微妙に髪に癖がついた状態の時分を鏡で見て思ってしまった。
なんか父に似てんな。
父は天然で癖っ毛なので、髪の毛がちゅるちゅるしている。
ぼくはド直毛。
いろいろ似てないんだけど、やっぱり似てるのかも。