交換不可
昨日雲のことを書いていて思い出したのですが、小学校四年生の時に雲には触れることができない、ということを知った時には大変に驚きました。
あんなにふわふわしていて、あんなにもくもくしていて、いかにもふかふかした感触がしそうなもなのに、触れないなんて。
ゲームのドラえもんで、あの夢のような世界ですら雲に乗るためには「雲かためガス」というひどく現実的な秘密道具の力を借りるほかなかったのを目の当たりにしていたのですから、今思えば雲には触れることができないという"知識"を得る機会は日常にたくさん転がっていたはずです。
しかし私は小学校四年生のあの、気象館で嬉々として入った雲発生装置の中で実際に雲に触れることができなかったあの時に、初めて「本当に」雲には触われないのだという事実を知ったのです。
大人になって本や教科書を読んでたくさんいろんなことを知った気になっていますが、その知識の中でさっきのように自分の五感を通じて、自分の体験として「知っている」ことがどれくらいあるでしょうか。
本を読めば、テレビを見れば、知識はつく。人生のようなものでさえ、小説や映画で代理体験ができてしまう。頭の中にイメージだけを直接叩き込んで、体験したつもりになってしまえる時代だからこそ、たまには少し面倒でも、自分で足を運んで、実際に見て、聞いて、触って、五感を使って学ぶということをやってみるのもいいかもしれません。
今日は屋上で素振りをしていたら、白い氷にうっすらイチゴ味のシロップをかけたカキ氷のような雲を見かけました。
もしかすると昨日の雲の色の描写だって実際の雲ではなくて「自分の頭のなかのイメージの雲の色」のことを書いていたかもしれません。
わかった気にならないで、なんでもちゃんと取り組まねばなあと思うのです。
イメージは誰にでもできるけど、
あなたがするその体験はほかの誰かにはできないですよね。
ほかの誰かには書けない文章を書けるようになりたいなー!!!