雨のち晴れガール
猫物語の白を読み終わりました。
物語シリーズは、
これで6冊目になります。
今のところ、これが一番好きでした。
ネタバレになるので伏せますが、
扱われているテーマがとても身近であったことと、
阿良々木くんが語り部ではない話では珍しく、戦場ヶ原さんを始め、戦場ヶ原父、
神原や八九寺、阿良々木姉妹や阿良々木両親と、他にもたくさん人が出てきて賑やかだったことが主な理由です。語り部が違えばその人達の見え方もおのずと変わってきますしね。
そんでもって、何より良かったのは
人を好きになるってのは、
素敵なことなのだなあと再確認できたことでした。
戦場ヶ原さんと羽川さんとで、
阿良々木くん(戦場ヶ原さんの彼氏)の悪口で3時間ほど盛り上がった。
みたいな描写があるのですが、これこそ愛だよなあと。
もちろん好きになる以上好きなことには違いないのですが、
きっといつかはここは苦手かもという部分が出てこないわけはないのです。
相手に向ける感情を100%全部「好き」のまま保つことはきっとできないでしょう。
だからこそ、悪口言って笑えるっていうのが、素敵だなあと思ったのでした。
こいつのここがむかつくわーって、相手に口に出して言える。
冗談として言うこともあれば、本気でむかついている時もあって、喧嘩になることだってあるでしょう。
そりゃあ、人と人とが関わるんですから、その間にはいろんな気持ちが渦巻くわけです。それを見て見ぬふりしない関係っていうのが、思ったら言うっていうのが、
あり方として自然で、それでもやっぱり、トータルとして相手のことが好きだから、一緒にいる。というのが、いいなあと。
ともすると衝突や葛藤なんてものは、ない方がいいものとして避けられてしまいがちですから。まあそんなものはない方が、いいには決まってるんですけど。
ない方がいいからって、それが実際に生じた時まで目を逸したりはしたくないなと思ったのでした。
天候と同じようなもんなんでしょう。
晴れの日もあれば雨の日も当然あって、
穏やかな温かい日もあれば、体の芯まで冷えるような寒いだってある。
それが、当たり前。
寒がりなもんで、できれば温かい日が多い方がいいですけど。
そんな付き合いをしていけるのでしょうか。
そんな付き合いをしていけたらいいなあ。